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中国人向けインバウンドプロモーションについて微博(ウェイボージャパン)に聞きました。

JAGAT(印刷技術協会)では、2018年4月印刷総合研究会「インバウンドプロモーションと越境ECの動向~中国・台湾客を呼び込む施策と海外販売の可能性」を開催。微博日本法人である新浪日本微博の田中里枝氏に、中国のSNS 事情と微博によるプロモーション事例について話を聞きました。

中国独自のインターネット文化

中国では、世界とは異なる独自のインターネット文化を持っています。特に「グレート・ファイアウォール(Great Firewall)」と呼ばれる政府のネット検閲システムが存在することが大きいです。これは中国国内からのインターネット利用時に、情報をフィルタリングするものです。

このファイアウォールによってYahoo!、Google、YouTube といったウェブサービスはもちろん、TwitterやFacebook、Instagram などのSNS も中国政府の規制により中国国内では利用できないようになっています。そのかわりに検索サービスの百度(Baidu)や、SNSの微博(Weibo)、微信(WeChat)やQQ など、中国企業が開発・運営している独自サービスが広く普及している状況です。

中国の巨大SNS「微博(ウェイボー)」とは

微博は中国および台湾、香港など中華圏で利用される巨大SNS として存在感を持ちます。インターフェイスや企業ページはFacebook と似たレイアウトになっていますが、拡散やその使い方がTwitter と似ており、日本国内では「中国版Twitter」ともいわれています。機能面ではFacebook とTwitter を合わせたようなもので、テキストや写真、動画を投稿できるタイムラインやハッシュタグ検索ができる検索ページを備えているのが特徴です。ライブ配信、リアルタイムモーメンツ(ストーリー機能)も持っています。

ユーザー層は男女比がほぼ半々で、約8 割が18〜30歳という若者が中心的なサービスです。モバイルユーザーがほとんどで、アプリからのログインが9 割を占めています。属性を見ると8 割近くが大学卒以上で、中国国内でも経済発展している北京や長江デルタ、珠江デルタといった地域にアクティブユーザーが多いことから、高学歴、高収入のユーザー比率が高いと推測されています。

コスメ、ファッション、自治体など日本企業も微博でPR

微博でアカウントを取得して、プロモーションやブランディングに活用している企業も多数います。公式認証された企業アカウント数はおよそ130万社あり、うち日本企業アカウントは2000 社ほど。旅行関係や美容・化粧品、ファッション、地方自治体でもアカウントを取得しています。

中国ではウェブサイトの開設は自由ではなく、政府にICP ライセンスを申請して事前審査に通過する必要がありサイト開設のハードルが高いです。そのため微博上の企業ページをウェブサイトの代わりとして活用する企業も多く見られます。

日本のショップ紹介動画を中国向けに配信

中国では日本と比較して動画配信やライブ配信と呼ばれる分野が広がっています。自ら動画配信を行いユーザーの購買行動に影響力を持つインフルエンサーをKOL(Key Opinion Leader)と呼び、中には大手企業からスポンサーズ収入を得るKOL も存在します。市場も大きく数十兆円規模と試算されています。

微博では在日KOL を活用した動画プロモーション施策を企業向けに提案しています。これは日本国内に住んでいる中国人のなかでフォロワー数が多くユーザーに対して影響力を持つ「在日KOL」をキャスティングするもので、店舗や観光地に在日KOL が赴いて動画を撮影・取材して配信を行います。KOL 自身のアカウントからコメントを投稿できるため、フォロワー層に訴求することができるのもメリットです。

土産物屋の紹介動画を中国人向けに配信し、拡散をねらう

浅草にある土産屋では、テレビ出演経験もある女性KOL を起用したプロモーションを実施しました。KOLが4 時間ほどかけて店舗や商品の紹介動画を撮影し、店舗の微博アカウントやタオバオ(ショッピングサイト)、中国語サイトのURL を付けてKOL 自身のアカウントから投稿するというものです。

在日KOL は日常的に日本の情報発信を行っているので、フォロワーも日本に関心を持った人に自然とセグメントされます。配信を視聴していたユーザーが動画をシェアすることで、さらに他のユーザーへ拡散していきます。

ライブ配信によるリアルプロモーションも増加

微博ではライブ配信によるプロモーションも行っていて、渋谷のある商業施設では、在日KOL が店舗に来店し、商品紹介や試着する様子などをライブ配信しました。2 時間弱の配信時間で視聴者数は62 万人。配信中に視聴ユーザーから質問コメントがあると、KOL はそれを通訳して店員に確認して中国語で回答を伝えることもあります。

「店長は歌手の〇〇に似ている」「近くに何かおいしい食べ物屋さんある?」といった脱線した質問や、「その商品はいくらですか?」といった質問まで、ユーザーは気楽にKOL とコミュニケーションを取りながら視聴します。

リアルな映像を見てユーザーもその場にいるかのような感覚を与えることができるため、ライブ配信を見て訪日後にわざわざ来店するユーザーもいるそうです。

まとめ

人が集まるプラットフォームとして中心的な位置に成長したSNS。国や世代などで利用されるサービスが異なるため、ターゲットに合わせてサービスを選定して広告を計画していくことが重要になります。中国では微博が大きな影響力を持っており、中国人向けインバウンドプロモーションにも活用されています。

(2018年4月19日開催「インバウンドプロモーションと越境ECの動向~中国・台湾客を呼び込む施策と海外販売の可能性」講演より一部を紹介)

紙デジ編集部

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