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AI、IoT、ビッグデータが未来を変える~データの可視化によって広がるビジネス展望

今、ITのイノベーションはAIとソーシャルネットワークという2つの分野がけん引する。
例えばAIの分野ではディープランニングと呼ぶ深層学習というアルゴリズムがコアになっている。このアルゴリズムを実装することで、例えば画像、音声の認識が飛躍的に向上している。その結果、自動車の自動運転の技術レベルの向上や、ロボット分野が発展している。ディープラーニングは、予測の精度を飛躍的に向上させる効果がある。つまり、ディープラーニングの分野で革新があったためにAI分野が非常に活性化をしているといえる。

ソーシャルネットワークの革新は、フェイスブックやツイッターのように人と人とがつながるということではなくて、シェアリング・エコノミーやビットコインのような仮想通貨が登場し注目を集め、ビジネスが勃興していることにある。

AIとSNS のトレンド

AIのトレンドでは高度な画像認識、高度な音声認識、現実世界とのインタラクション能力の3つが見られる。

ディープラーニング技術によって人間の視力の認識能力や聴力(音の聞き分け能力)を、すでにコンピューターが上回り始めている。
例えば自動運転の技術開発では、物体を0.1秒やミリ秒単位で認識する必要があるが、コンピューターは10個や20個になると人間では不可能になる物体の動き、位置を正確に認識できる。またフリーマーケットをアプリで展開するメルカリは、ブランド専用アプリで投稿された商品画像の真偽を人工知能が見抜く。

マイクロソフトのSeeing AIは、スマホのカメラで撮影した画像に文字で説明が出る。例えば講演しているときに、聴衆は50人で、どのような服装をしているかなど、映っている映像を説明してくれる。視覚障がい者の人なら、それを音声で聴くことで目の前で起きている状況を認識できる。更にSeeing AIでは人間の感情を怒りや悲しみなど8つに定義して、感情分析もできる。これは企業のスカイプを使ったサポートにも使われていて、お客様が説明に対して本当に理解しているのか、満足しているのかが分かる。

音声認識で注目されるのは、アマゾンエコー、グーグルホーム、アップルホームポッドなどの人工知能スピーカーである。人工知能スピーカー以外に中国のTimekettleがWT2というリアルタイムトランスレーティングイヤホンというのを開発した。これはイヤホンして会話するだけでリアルタイムで通訳される。

「現実世界とのインタラクション能力」

音声認識と画像認識はインプットの能力だが、人工知能は現実世界とインタラクションする能力も持ち始めている。例えばソフトバンクのペッパーのような人型ロボットも代表例になるだろう。

現実世界とのインタラクションとしては自動運転が実用化に向けて進展している。自動運転は人工知能を結集したものである。グーグル傘下にある自動運転車開発のウェイモはライドシェアのUberやLyftと提携を進めている。将来的には車の保有や運転をしなくても、車の利便性を享受できるサービス提供を狙っているようだ。もう一つの例はアマゾンのAmazon Goで、これは実店舗にもかかわらずレジがなく、入店時に携帯をかざすだけで買い物ができる。店には画像認識とマイクと各種センサーが取り付けられており、その人が購入したものを人工知能がチェックしている。買い物の仕方も把握しているので、マーケティングにも使える。

「持たざる者の革命」

ソーシャル系のトレンドでは「シェアリング・エコノミー」「信用創造と資金調達」「イノベーションのためのクラウドファンディング」の3つを紹介する。

シェアリング・エコノミーの代表的なものに配車アプリUber(ウーバー)や余っている部屋を貸しあうネットワークであるAirbnb(エアビーアンドビー)がある。
更にビットコインを中心とした仮想通貨は、そのポイントは技術ではなくてソーシャルの部分にある。仮想通貨で特筆すべき点は人がそれを認め、「信用の創造」が行われたことである。技術革新のレベルが最高レベルに達して、皆が仮想通貨を信じるようになった。これらは「持たざる者の革命」が起きているといえよう。配車アプリUberの2016年の取引金額は20億ドル超、日本国内では大手タクシー会社でも数百億円の売上高しかないことを考えると、その規模の大きさが分かる。Airbnbは空き部屋や空き家をネットで貸すサービスで、今年度の売り上げは28 億ドルと予想される。これらは、タクシーを1台も持っていないのにタクシー会社よりも大きく、ホテルを一室も保有していないのに、ホテル会社よりも大きくなった。つまり「持たざる者の革命」と考えることもできる。

日本の場合はUber もAirbnb も国の規制など、まだ大きなビジネスにはなっていないが、時間の問題で日本でも広がっていくだろう。更にシリコンバレーを中心にアメリカで急成長しているのがお使いビジネスで、TaskRabbitは家事や日曜大工のマーケットで買い物や大工仕事などを、近隣の人が非常にリーズナブルな金額で請け負う。

ソーシャル系で2 つ目の大きなトレンドとして、信用創造と資金調達がある。重要なキーワードとしてICOという言葉がある。ICO はイニシャル・コイン・オファリングである。IPO(イニシャル・パブリック・オファリング)の株式公開で資金調達を行うことに対して、ICOは仮想通貨で資金調達を行う。COMSAというICOの市場が成立しようとしている。背景にはアメリカで仮想通貨ビットコインによる資金調達が盛んになってきていることがある。ビットコインは世界的に流通するので、世界の注目を集めることができると現金以上に資金の調達できる。あるベンチャー企業がわずか30秒で3500万ドルを集めた例がある。一般の株式市場のIPOにはさまざまな制約や国の壁もあるが、仮想通貨にはそれがない。
Upstartは若者に投資するローンで、資金の使い道、金額などのデータを提出してもらい、即時に大きな金額でも調達できる。この投資の判断を行うのが人工知能で、驚異的に判断が正しいので、ほとんど貸し倒れがない。

3つ目はクラウドファンディングで、これは簡単にいうと、「私こんなことやりたいので、みなさん投資してください」というお願いをする場所である。既に日本にもこのようなサイトが幾つか登場している。アメリカのKICKSTARTERは9月13日に日本向けサービスを開始しているが、ここは個人やベンチャー企業が商品開発のアイデアを提示して資金調達の目標金額と期限を開示する。お金を投資した人には金額に応じた見返りが設定されている。

AIとSNSの融合で新たなビジネス登場も

AIの世界ではディープラーニング、画像・音声の認識、自動運転、ロボットなど予測の精度の飛躍的向上、SNSではシェアリング・エコノミー、仮想通貨、信用創造、持たざる者の革命などが注目され、今後はこの2つのトレンドが融合していくだろうし、既に融合し始めている。もう一つは自動運転への技術投資がもたらす派生技術の展開がある。自動車を運転する技術だけではなく、そこから派生して未来を創り出す研究開発が出てくるだろう。例えば画像認識や音声認識の超高度化によって、新たな活用やビジネスが出てくる。

生活に密着したITメディアの可能性では、例えば自動運転中は乗車している人に対しての新しいエンターテインメントメディアが出てくるかもしれない。
またIoTが家庭内に入って、例えばキッチンで料理をする人間の手元や調理具合をロボットが見ていて何をすればよいのかをアドバイスしてくれるようになるかもしれない。いずれにしても個人の生活に密接したIoTメディアの可能性が出てくるだろう。

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紙デジ編集部

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