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2017年にスマホVRプロモーションが増えた理由

新しい技術を使ったプロモーションは話題になりやすく、自分でも気になったりしますよね。2017年になんといっても注目したいのが、VR(仮想現実)を使ったプロモーションです。

本記事ではVRの基本的な説明と、なぜ、いまVRプロモーションが増えているのかを解説します。

ちょっとおさらい。VR(バーチャルリアリティ)とは?

「VR」とは、英語の”virtual reality”の略語で、直訳すると「仮想の(虚像の)現実」といった意味になります。
コンピュータ上に作られた空間の中に、あたかも自分が入り込んだような感覚を味わえるしくみのことです。

たとえば、CGで復元した古代の遺跡を上空から俯瞰したり、架空の建物内を歩き回ったり、自宅にいながら富士山の頂上で景色をぐるりと見渡したりできます。人工的に作られた世界を現実のように体験できるので、「人工現実感」という言い方をすることもあります。

AR(拡張現実)の場合は、現実の風景にプラスしてCGなど作られたコンテンツが重ねて見えますが、VRの場合は、CGや撮影された風景全体に自分が入りこみます。ヘッドマウントディスプレイ(頭につけるディスプレイ付きの装置、以下HMD)で視界を覆ってしまうことで、没入感(見えている空間にどっぷり入ってしまう感じ)を味わえるようになっています。

VRを体験するためには、3DCGや360度に撮影されたパノラマ写真・動画などのコンテンツと、それを視聴できるしくみ(YouTubeや専用アプリ、最近ではFacebookでも)、それとHMDや簡易VRゴーグルなどの視聴デバイスが必要になります。

2016年は「VR元年」と呼ばれゲーム、エンターテイメント、プロモーションと広がりました。その流れは2017年に入っても続いています。 

2017年、VRを使ったキャンペーン

では、VRを使ったプロモーションにはどのようなものがあるでしょうか。今回はCGを使ったものではなく、360度動画と呼ばれる実際の風景をぐるりと撮影した動画を使ったプロモーションに絞って紹介します。

「い・ろ・は・す 一滴のしずくの旅キャンペーン」(日本コカコーラ)

ミネラルウォーター「い・ろ・は・す 天然水」のパッケージリニューアルに合わせて実施したキャンペーン。
日本6か所にあるいろはすの水源のVR動画を期間限定で公開しました。同時にVR体験キットとしてVRビューワーの「ハコスコ」がもらえるキャンペーンも実施しました(2017年5月22日~6月8日)。

キャンペーンサイト(日本コカ・コーラ)  

 雨の日の安心感が違う、VR体験キャンペーン(横浜ゴム)

タイヤのウェット性能によって雨の日のブレーキのかかり方に差が出ることを体験できるVR動画を公開。クイズに答えてAmazonギフト券があたるキャンペーンも実施しました(2017年6月1日~6月25日)。

キャンペーンサイト (横浜ゴム)キャンペーンサイト (横浜ゴム)

VR乃木坂温泉(リクルート・じゃらん)

アイドルグループの乃木坂46と一緒に温泉旅行に行った気になれる、旅館を一緒に歩き回れるVR動画を提供。同時にVRスコープがもらえるキャンペーンも実施しました(2017年3月23日~5月7日)。 

キャンペーンサイト(じゃらん)キャンペーンサイト(じゃらん)

スマホVRが注目される理由

VR(ここでは360度動画)を使ったプロモーションが増えてきているのには、いくつか理由があります。

まず、撮影する機材が安くなったことです。

いままでは専用機材を使って撮影し、画像を繋ぎ合わせたりする必要がありました。最近では、360度動画・写真を今までより手軽かつ安価に制作できるカメラが登場しました。リコーのTHETA(シータ)のように、360度動画・写真を撮影した後かんたんにパノラマ形式に出力できるカメラも人気です。

それにより制作を依頼する場合も、自社でカメラを購入して撮影する場合も比較的安価に制作できるようになりました。

次に、スマホやブラウザで気軽にVRが楽しめるようになったことです。

数年前までVRは高価な技術で、アミューズメント施設のような専用の機材があるところで楽しむか、何十万円もする専用のHMDを購入していました。

最近では、YouTubeやFacebookなどのアプリでVR視聴に対応するようになり、スマホで気軽に360度動画を視聴できるようになりました。

スマホをセットするタイプの簡易VRゴーグルもプラスチックや紙でてきた安価なものが登場し、手軽にVRを楽しめるようになっています。紙製のものはAmazonや家電量販店などで1000円前後で購入できます。いまや100均でも販売していたりします。

またブラウザで視聴できるようになったため、PCでマウスを使ってぐりぐり動画を動かしたりもできます。

もうひとつは、プラットフォームが整いコンテンツが増えてきたことです。

いままではVRコンテンツが集まっているサービスというのはあまりありませんでした。今は前述のYouTubeや紙製HMDを提供するハコスコ、動画配信サービスのDMM.comなどでVRコンテンツがたくさんありますので、無料でも有料でもVRが楽しめるようになりました。

いろいろありますが、「スマホで楽しめる」というのがいちばん大きい理由ではないかと思います。

南あわじ市が仕掛けたVRプロモーション「あわじ国バーチャン・リアリティ」

VRは自治体のブランディングにも使われています。兵庫県の南あわじ市では、都会生活のなかで1人で食事する「孤食」を防ぐコンテンツとして「あわじ国バーチャン・リアリティ」を制作、公開しました。

これは1人で食事をするときにゴーグルを装着し、VR動画を見ながら食事をすることで、故郷のおばあちゃんと一緒に食事をしているかのような体験ができるものです。



南あわじ市の食材を使った料理レシピも公開しており、レシピにある料理を作ってVR動画を見ると、よりリアルな体験ができるようになっています。同市にふるさと納税すると、特産品と一緒にオリジナルのVRビューワーが先着でもらえるキャンペーンも実施しました。

まとめ:2017年もVR需要は増加、「どんな体験を提供するか」の設計がカギ

スマホでVRが気軽に楽しめるようなったことを背景に、企業側で「体験」を提供するツールとしてVRに注目し、2017年になってVRプロモーションが増えてきていると思います。

前述のような理由に加え、紙製の安価なビューワーが提供できるようになったこともプロモーション増加の後押しをしています。1個数百円(中には100円を切るものも)のビューワーは、プロモーションで配布するのにも適しています。

このように2017年に入ってプロモーションでのVR需要が高まっています。VRキャンペーンを実施するのに大切なのは「どんなコンテンツにするか」だと思います。前述のバーチャン・リアリティが「1人で食事する人に、誰かと一緒に食事する」体験を提供して南あわじ市のPRを実現したように、「どんな体験を提供できるか」「それにより何を実現できるか」がVRプロモーションでカギとなります。

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